-
ブログ
ホントに怖い「根面のむし歯」
こんにちは。 2023年もかじわら歯科クリニックをよろしくお願いいたします❗️
2023年最初のお話は、とても厄介で怖いむし歯⇨『根面のむし歯』についてです。
・根面のむし歯って何?
①歯周病などにより、歯ぐきが下がると歯の根(根面)が露出します。見かけも気になるところですが、それ以上に問題なのが、根面はとてもむし歯になりやすいということ。最近の疫学調査では70代の65%、80代の70%が根面のむし歯になっており、多くのシニア世代のお口の問題となっています。
②根面のむし歯は「しみる」「痛い」などの自覚症状がほとんどなく気づかないうちに進行しやすいです。また、むし歯になっているのも見た目でわかりづらく、自分自身で歯の変色に気づいた時にはすでに進行してしまっていることもあります。
③根面のむし歯は家で例えるなら、建物自体は新築同様なのに、土台の柱がシロアリに食べられてしまっているようなものです。噛むところの歯はピカピカなのに根元がむし歯になってポキリと折れて、歯を失いかねないです。
・根面はなぜ、むし歯になりやすい?
①歯は歯ぐきより上の部分「歯冠部」と歯ぐきに埋まっている部分「歯根部」から成ります。歯冠部では厚みのある硬いエナメル質が象牙質を覆っています。一方、歯根部では象牙質はごく薄いセメント質でコーティングされているだけです。
②象牙質を覆うセメント質はとても薄くすぐに破壊されるので、エナメル質のように象牙質を保護する役目は期待できません。
③象牙質はエナメル質に比べて、やわらかくとても酸に弱いです。そのため、むし歯菌の出す酸や酸性度の高い飲食物で象牙質が溶け始めてしまい、根面だけがむし歯になってしまうのです。
・根面のむし歯はむし歯の進行も止まりにくい!!
根面はむし歯になりやすく、さらに悪いことにむし歯の進行が止まりにくいです。その理由がエナメル質と象牙質の組成の違いです。エナメル質はハイドロキシアパタイトという無機質が95~97%に対して象牙質は無機質は65%程度で残りの35%はコラーゲンです。唾液はむし歯菌の酸によって溶け出したエナメル質のハイドロキシアパタイトを修復する力はあるのですが、象牙質のコラーゲンを修復する力はありません。これが根面の象牙質がむし歯の進行が止まりにくい理由です。
・根面のむし歯は治療が難しい!!
歯冠部のむし歯の場合、むし歯を除去して詰め物や被せ物をするというのが基本的な治療ですが、根面のむし歯は、根に深く広くむし歯ができている場合、むし歯を除去しようとすると歯が折れてしまう可能性があります。また、歯ぐきの中までむし歯が広がっている場合、器具が届かないためむし歯を除去できなかったり、詰め物ができない場合もあります。
・定期検診とフッ素で根面むし歯の進行抑制と予防を!
フッ素はエナメル質だけでなく象牙質にも作用するため、根面むし歯の進行抑制と予防に効果があります。フッ素を配合した歯磨き粉に加え、フッ素洗口液を併用するのがとてもおすすめです。
⇒『おすすめケアグッズ』ページの「フッ化ナトリウム洗口液」の内容もあわせてご覧ください。
歯科医院での定期検診で根面にむし歯ができていないか、進行していないかチェックしてもらいましょう。早期に発見できるほど、長く歯を残せる可能性が高まります。
神奈川県鎌倉市梶原2-34-23 ⇒地図/アクセスはこちら
0467-38-5585
【診療時間】
平日:9:00~13:00 / 14:30~18:30
土曜:9:00~13:00 / 14:00~17:00
※休診日:水曜・日曜・祝日